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2006年3月21日 (火)

第17回かながわ県ゆうあいピック大会にボランティア審判として参加して

 これ以上無い、スポーツ日和の一日、ボランティア審判としてサッカーを楽しませて頂きました。ありがとうございました。私は毎週、小学校でサッカーコーチをしています。知的障害者という大会のためそのような観点からの感想が多いと思いますが、私は、サッカーのことしか分かりませんので、サッカー技術に対してだけ感想を記させていただきます。

さて、開会式が終わり、ボランティアの3人だけで一つの会場を運営から審判まで担当するとのこと。「えっ」と思うまもなく試合を開始しなくてはなりません。世話役の方々は、それこそあちこち飛び回っています。やはり、ボランティアの数は圧倒的に不足していることを実感しました。

一緒に会場を担当させて頂いた審判は、ボランティアの経験が豊富で、副審のフラッグやメンバー表などこまめなことに気を使っていただいた仮屋さん、二級審判としての実力を見せていただいた三瓶さん。圧巻だったのは、オフサイドの笛の後、ゴールに向かってキックした選手に対して、毅然としてイエローカードを出した姿でした。私は、「ルールを知らないのじゃないか」などと選手に対して失礼な考え方をしていたのですが、サッカーの真髄である紳士的プレーをキッチリ示した素晴らしいジャッジでした。その選手は、二度とこのような「反スポーツ的行為」をしないでしょう。そのような行為をする仲間をたしなめることだと思います。

私達は、Bブロック(Aブロックが一番強いとのことです。Cブロックまでありました。)を担当させていただいたのですが、サッカー技術については、相当練習を積んでいるという印象でした。とくにサイドプレーヤーには足の速い選手が多く、その突破力は見事なものでした。ただ、その後の、センタリングが上手い選手があまり見当たらず、今後はこの技術向上が課題ではないかと思います。シュート力も素晴らしいものがありましたが、それにもましてゴールキーパーに実力のある選手が揃っており、試合の緊張感を演出していました。一点で試合が決まることが多く、審判にとっても集中力が要求される大会でした。選手のプレーに対する集中度は高く、後ろからの悪質な反則や、手を使う汚いプレーがまったく見られなかったことには驚かされました。得点を入れた選手のパフォーマンスはJリーグ以上で、個性豊かな自己表現は、外から見ているひとたちをも喜ばせてくれます。試合の相手は「敵」という憎むべきものではなく、サッカーという競技ルールの中で自分を表現しあう、パートナーだと解らせてくれる、純粋なスポーツ世界を見せていただきました。

表彰式も終了し、グランドを見下ろす土手の上に止めた車の横で靴を履き替えていた時。準優勝チームのユニォームを着た少年が近づいて来ました。少年の視線の先には、先ほどから私の横でグランドを見下ろしていた人が。きっと少年の父親なのでしょう。

我々の指導している少年選手達はおしゃべりです。負けずに父親も饒舌です。まして、準優勝でもしたら。子供は自分がどんなに活躍したかを話します。父親も子供の活躍を誇らしげに語ります。そして、新しいスパイクや有名チームのユニフォームのご褒美を買いに意気揚揚と出発するのです。それは、それで、ほほ笑ましくていいのですが。でも、この日の少年と父親は、いつも見ている光景とは違っていました。

近づいてきた少年は、はにかんだ笑顔で父親に話し掛けます。「オワッタ」一歩前に出た父親は答えます。「ミテイタゾ」そのまま二人は、樹木のように動かなくなりました。父親の目に我が子は、オリンピックやワールドカップの選手以上に頼もしく誇らしげにうつっているに違いありません。そのまま二人は言葉を交わす事無く、父親は、恥ずかしそうに父の顔を覗き込む少年をせきたてて、静かに歩み去っていきました。誇らしげに、肩をゆらして。 初夏の風のように清清しい一日は、チョットした筋肉痛を伴って終わりました。関係者の皆様に心からお礼申し上げます。そして副審を担当してくれた藤沢工業高校サッカー部の選手の皆さん、ありがとう。

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