サッカーの試合以外のことを書くなと言う向きもあったので自粛していましたが、元鎌高生のことでちょっとめでたいことがあったので、書いてしまおう(笑)。
先日、宝塚音楽学校に合格して、転校していった佐藤優衣さんが、なんと今日の入学式で新入生総代として挨拶し、全国ネットのニュースでその様子が放送されていました。
「今日が入学式だなあ、画像がちょっとでも載るだろうか」と思って、検索をかけたら、「新入生総代の佐藤優衣さん」と…!? 同姓同名なんてこともあるかしらと画像をさらに探すと、見たような横顔が答辞を読んでる写真。
あわてて、夕方のニュースを見たら、フジテレビでまごう事なき本人がインタビューを受けておりました。10日ほど前のうちの始業式の日に、前クラスメートに最後の挨拶をしたときと変わらぬ、おっとりした調子で。
どの記事でも、「約24倍の難関をくぐり抜けて」という枕詞がついてますが、なんでも940人だかが今年は受けたそうです。合格者は40人。しかしです、その中で「一番」に選ばれたのだから、倍率は940倍ですよね。
鎌高にはこういうすごいのが隠れているんで、ときどきびっくりさせられます。この子もミュージカルをやりたくて、「劇団四季を受けてみる」なんて言ってたのですが、「遠い将来は子どもたちにバレエや歌を教えたい」などとも言ってました。
それなら、四季もいいけれど、宝塚で修行してみたら、なんて言ってたんですが、なにしろ身長があるんで、四季より宝塚の方が合ってるんじゃないのと思ったんですね。
この子のいいところはほんとに素直なところで、早速、見たことのない宝塚歌劇をお母さんと見に行ったそうです。で、これはいいと。20倍以上の競争率など気にする様子もなく、受けてみる。東京のスクールに行く。お金はバレエの方を休めばいい。淡々と言ってのけました。
20倍などという数字に臆さない強さ、現状を分析して、どういう手段を取ればいいのかを考える判断力、そしてそれを大人に説明することのできるプレゼンの力。今、思えばこれはすごい能力でした。
私は彼女の踊りや歌の実力は知りませんが、挨拶がしっかりできること、大人と話していても笑顔が自然に出せること、そしてなんと言っても、トイレ掃除の監督の先生が、「おたくのクラスの、トイレ掃除のエースです」と。これが「受けてみたら」の根拠ですから。ちょっとお粗末(苦笑)。
その彼女が受験を決意する前に、後ろ髪引かれる思いだったのが、もし受かったら、鎌高の文化祭に出られなくなることでした。鎌高祭で劇をやるのが夢だったそうで、「それ、ステージが違うから!宝塚でおやんなさい」と言いました。これは笑い話。
うーん。総代で受かるくらいなら、卒業してからの受験でもよかったかな。彼女が入る予定だったクラスの文化祭の出し物は「眠りの森の美女」になりそうだとか。宝塚総代の「スリーピング・ビューティー」を見てみたかった気もする。
何はともあれ、「鎌高のトイレの女神様」は、タカラジェンヌ候補生となって一足早く羽ばたいて行きました。
合格したとき、「63期生として一番早く受験して、こんな超難関を突破してくれてありがとう。どんなに難しい大学でも、『まずは挑戦してみよう』ってみんな言うことができるよ」と言いました。
受験ばかりではありません。サッカー部が目指す頂点も、もちろん超難関。
鳥のような高い志と、蟻のような地道な準備。彼女の挑戦の姿をかたわらで見ていて、そんな感想を持ちました。
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